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「書を持ち、街で会おう」 第2回東京オフレポート 

●桜が見ごろの世田谷に集う

 

 芦花公園駅で降りると左手には桜並木が見えて、右手には小野寺さんが見えた。小野寺さんは相変わらずお元気そうだった。小野寺さんはtwi文の中で最も行動をともにしたことが多い。自由なおじさんだ。小野寺さんの隣には一人の青年が立っている。その人こそ日居月諸さんだった!6は平静を装いつつも初めて会うからちょっと緊張した。でも話してすぐに打ち解けることができた(と思う)。日居さんは高速バスで来られたのでかなり体力を奪われているとのことだった。

 駅前には電話ボックスがあり、久々に電話ボックスを見た6は舞い上がり思わず小野寺さんに入ってもらい電話しているしぐさをお願いした。小野寺さんは快諾してくださり、それをばっちりと写真に収めた。

 

 小野寺さんとおばかなことをしているうちにあんなさんが来られた。一年ぶりくらいにお会いして懐かしかった。あんなさんにお勧めしていたお菓子の話になってあんなさんから「kabayaのお菓子は関東には売っていない」という驚愕のじじつを教えてもらう。天下のkabayaも関東まではその名をとどろかしていなかったのか。

 そんなこんなで雑談をかましつつも、お忙しい中挨拶に来てくれた方がいる。今回が初登場のとーいさんである。とーいさんは舞台俳優のようなオーラを放っていらっしゃる。ちょっとびっくりしつつも鞄のなかには敬愛するゆかりんのために蛍光ライトなどがわんさか詰め込まれていると聞き、やっぱりとーいさんだと思う。

 

 そうしてあんなさん、小野寺さん、日居さん、とーいさん、6の5人は世田谷文学館へ向かう。途中、通行人の方にお願いをして記念写真を撮影していただく。撮影後、写真を見てみると全員の表情がなぜか(?)不思議に死んでいる。めちゃ楽しかったのに(笑)。集合写真に緊張したのだろうか。そして桜並木(東京ではちょうど見ごろ)を通り、成城石井などを尻目にしつつ世田谷文学館に到着する!錦鯉がうようよ泳ぐお堀を見つけて5人は一様に「高そう!こいつ高そう!」「あっちに金色のもいる!あいつも高そう」といけない会話に興じる。

 鯉が遊泳するお堀に浮世離れしたかのごとく漂う亀がいてこれまた風流♪

 

●文学館ではしゃいでしまう大人たち

 

 世田谷文学館の中に入ると1分の1以上のでかいサイズの寺山修司のお面が販売されていた。試着することも可能だったため、とーいさんにおもむろにお渡ししてみると快くつけてくださった。ブルーのお洒落なジャンパーを着た寺山が現代によみがえり、一同きゃっきゃ騒いでしまう(結構静かな場所なのに)。

 

 寺山修司展では寺山がつくった学級新聞や小中時代の通知表なども展示されていた。宇野亜喜良が描いた天井桟敷のポスターや天井桟敷劇場までの巨大地図など面白そうなものが目白押しである。中でも面白かったのは寺山が友人や恩師に宛てて書いた手紙のかずかずで天才と呼ばれた彼もひとりの人間であったことがうかがえる。手紙の内容は「こういう感じのセーターが欲しい」「お金をおくれ」など人間味あふれるものもあり、読んでいて笑った。

 

 展覧会を見た後、あんなさんと6はするするとアンケート要請をすりぬけたのだけど小野寺さんと日居さんがアンケートを入念に書いていたので結局ついていき、おくれながら書きはじめたのに、二人より先に書き終えてしまった!二人はなかなかでてくる気配がなかった。とくに日居さんは真剣にアンケートに向かっていたのが印象的だった。

 

●「伯爵」で読書会

 

 意外に時間を使ってしまったため、公園での読書会は諦めて合流場所の池袋の喫茶店に向かうことにした。東京の路線図は縦横無尽であり、田舎者の6は切符を買うにも混乱した。

 小野寺さん、あんなさん、日居さんと横一列になって車窓から東京の景色が移り変わっていくのを見るのは不思議な気持ちだった。4人でお出かけしているのが何だかとても奇跡的なことに思えてくる。お話をしていると池袋なんてあっという間についてしまう。

 

 コメダ珈琲を目当てに向かったのだけれど店内にはマダムのような女性たちが多く行列ができていた。別の店を探すことにした。あんなさんが近くのお店をご存知だったのでそこに連れて行ってもらう。店の名前は「伯爵」。一昔前のきらびやかな雰囲気が珍しくて素敵なお店だった。やっぱりお客さんがごったがえしていた。それでもわれわれは何とか席をみつけて腰をおろした。

 

 もともと煙草臭い店内で小野寺さんがつぎつぎと煙草を吸い続ける。そんな中、寺山修司読書会は開かれたのだ。飲み物を飲みながらサンドイッチを頬張りながら、iphoneで音声を録音した。思い思いの寺山観を展覧会の記憶と織り交ぜつつ語る読書会になった。

(→読書会の詳細は音声ファイルをご確認ください)

 

●「缶詰にされたい!」そう言いながらも夜は更けていく

 

 読書会は無事終了。展覧会を経た後で寺山が何を考えて生きてきたのか垣間見えた気がした。4人は「伯爵」を後にする。東口の飲み会会場の居酒屋へ向かうために……。

 池袋は渋谷のようにひとが多いけど街の色が渋谷とはちがった。ちょっと小汚くて雑多な感じ。ごった煮な街の空気は6の故郷でもある大阪に似ている気がした。ここからうさぎさんやカヅヤさんと合流するのだ!そしてもう一人。なぜ池袋で飲み会をするのか。それはある男にとって都合がいいからなのであった。Twitter文芸部の部員ではないのにやたら部員と仲のいい近所のおじさん的な存在―山下さん―を忘れてはならない。

 

 待ち合わせ場所の東口母子像の前で急にしゅっとした感じの若者が僕に向かって「動物とか好きですか」と尋ねる。僕は妙な商売にひっかかったのではないかと思い、あやしみながら「いえ、好きじゃないです」と応える。若者は「ゴリラとかは?ゴリラはどう?」と聞いてくる。ゴリラ……そういえばゴリラ好きなひとがいた……。「6さん!」種をあかすように山下さんが現れた!秀逸な登場の仕方にみんな驚いた。そしてうさぎさんも来られた!うさぎさんはすでにお店にまで行き引き返して来ていただいたようで、事前に連絡できず申し訳なかった。やっぱり次回からもうちょっと連絡先とかを交換しておきたいなぁと思った。そしてカヅヤさんがいらっしゃっていよいよ大人数になった。居酒屋に行く途中の駅前の長い横断歩道で幼児が赤色の風船を手放して日居さんがぱっと掴み、幼児に返してあげた。何だか物語の一場面のようだった。

 

 飲み会場所の居酒屋に到着して皆で注文をする!生中やウィスキーロック、ウーロン茶にカルアミルクなどみんな飲みたいものを頼む。乾杯の音頭は不肖6がとらせていただく。こんなことをするのは初めてだった。酒の席でカヅヤさんが小野寺さんのことを「とーいさんの編集後記にもありましたけど、小野寺さんはやはり部の潤滑油ですね」と小野寺さんのありがたさを熱弁されたとき、最近自分の小野寺さんの扱い方のあまりのぞんざいぶりが身に染みた……。カヅヤさんはお忙しい中、時間をとって足を運んでくださり、一緒に過ごした時間こそ少なかったけどまた会えてよかったと思った。

 「粕谷栄一の詩集を持っています」とつぜんのリプライが来る。その主はNORANEKOさんだった。NORANEKOさんとは文学極道で知り合い、skypeなどでお話をするほど仲良くさせてもらっていた。池袋にいることをtweetすると反応してくださり、駈けつけてくれた。お酒の席はますます盛り上がり、愉しくなっていった。

 

 うさぎさんとあんなさんが川上未映子ファンであることから川上作品の話題になる。情熱大陸の話におよび、川上や田中慎弥のように出版社から部屋を用意されて缶詰状態にされるのは羨ましいですよね!と皆で溜息をもらしあう。山下さんに「新潮社にいっておれを缶詰にしてください!」と言ってきたらどうですか?と提案したら「行こうかな」と返してくれた。

 飲み会は小野寺さんが急に眠り出すなんてことがあったけど、とても愉しかった。小野寺さんは次の日がお仕事でもあったので飲み会後は帰路につかれた。

 その後はベローチェという店に入って雑談をした。

 僕は日居さん、NORANEKOさんの三人で小説と詩それから批評について真面目な話をした。山下さん、あんなさん、うさぎさんも何だか笑いあっていたけど深い話をしているようだった。愉しい時間が過ぎるのは早く、何だか寂しかった。関東に住みたい、と切に願う(笑)

 

 池袋の夜の街でみんなと別れを告げた。日居さんと6は遠方組だったので始発を待つためにデニーズで朝まで粘った。日居さんとはtwi文の話、文学の話、恋の話など色んな事を話した。話をしていると夜なんてすぐに明けてしまう。明け方の街をふらふら彷徨いながら二人で山手線に乗り、新宿駅で別れた。日居さんとは「また会おう」と言いあった。

 

 「さよならだけが人生だ」という言葉があるけど「再会」は物凄いスピードで流れていく時間に一瞬抵抗できるような気がする。春の始まりに気持ちが上手く保てない時もあるけど、こんな風に愉しいことをまたしたい。またみんなと会いたい、そう思った。

 

 

*さいごに……

 

 このような愉しい機会をいただきありがとうございました!ホストのあんなさん、愉しい時間をありがとうございます。またオフ会に忙しいながらも顔を出してくれた方や遠方から来てくれた方も感謝いたします。つぎのオフを待ち遠しく思いながら筆を置きます。

 

 

 

                                2013年3月31日  ―崎本智(6)