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特集『花に嵐のたとえもあるさ』

 春。出会いと別れの季節。桜も咲いて……。今回の特集テーマはそんな感じで!

という常磐の発言に編集部から待ったがかかった。ここ以外の文学誌のどこでもがそういうテーマでやるでしょ! と言われはっとする。

 ありきたりも良いものだけど、やっぱり読者を唸らせてこそ文学。読者の皆様に知的な刺激を与えたいと編集部と会議を重ねる中で于武陵の漢詩にたどりついた。

 やはりこれ自体も教科書に載るレベルの有名さではあるが、春という一番の花の季節であるこの時期に、また奇しくも季刊へと生まれ変わるLi-tweetの第一歩としても、「何があるかわからないけれど、さよならだけが人生かもしれないけれど、それでも前を向いて私たちは歩いていこう」そんな応援を読者にも、そして書き手である我々それぞれに向けても送りたかった。

 また、今回一つだけ特集に寄稿される皆様に条件を付けた。完全なバッドエンドに終わらせない。

 大丈夫。僕たちはまた歩いていく。この時期だから、誰かの応援に、僕等の応援になってゆくように。

 

 ――ひょっとしたら、人生は『さよならだけ』じゃないかも知れませんよ?

灰色の陽と冬の紫陽花:崎本 智(6)

遷ろう記憶の中で再び出会った僕と一人の少女――灰色の景色の中で、やがて二人は恋に落ちていく。海沿いの街を舞台に夢と現実、過去と未来が交差する繊細な世界を描き出し、新たな道を切り拓いた作者初の青春小説。

 

僕が憶う人:常磐 誠

君に、伝えたい事がある――。3人の子供を遺して去った妻、梓。車椅子に乗った僕。今日、子供達は成人する。風に乗り花びらの舞う1日を、あわくやさしい筆で描きとめた、親子の心のスケッチ。酒を呑みながらでいい、僕は大切な人に、心を伝える。

 

独り言:る

父にハメられ、青春を潰され、仲間から裏切られ、やっと出会った大切な「君」も遠ざかっていく、そんな不幸な人生を送る青年。あの人に伝えたい、ダルビッシュの完全試合、惜しかったね。遠回りを繰り返す核心に至らない語り口は、物語の構造とも相即する。

 

オウンゴール:小野寺 那仁

青春は、まちがった物差しで距離をはかりつづけるような、とても孤独な戦いだ。オウンゴールを決めてしまうひとりの少年の、ままならない青春の物語。情熱とユーモアのまざりあった言葉が、ひりひりするあの日の異空間へと読者を連れていく。