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■「Li-tweet」2月号 第一回合評会

 

日時:3月2日20時~

ホスト:日居月諸

参加者:イコ、小野寺、る、とーい、常磐、緑川

 

日居月諸: それでは始めましょうか。
イコ: はい
日居月諸: 合評はうさぎさん、とーいさん、6さんという順番で進めていきます
日居月諸: それぞれ合評時間は35分

■うさぎ「ストレンヂデイズ」

日居月諸: ではうさぎさんの作品「ストレンヂデイズ」から始めましょう
日居月諸: あらかじめ感想を用意している方は貼り付けてください
日居月諸: 面白いけれど感想の書きづらい作品というのはよくあって、きっとそれは読んでいる間にしか「感想」が思い浮かばず、テキストからいったん離れてしまったらそれらが消えてしまうタイプの作品なのだと思う。
「ストレンヂデイズ」はそういう作品で、「知らない番号」から掛かってくる電話の主は誰なのかだとか、ミズホはどういう特徴の持ち主だったのかだとか、テクストを読んでいる間はそれが明かされないから何も言えない。
ここでいう「何も言えない」とは解釈が出来ない、作品の外側の言葉に還元できない、どういう意味を持っているのだと定められない、ということを意味する。けれど、主人公である「僕」がそうであるように、読者は否応なくその解釈の難しさに立ち会わなければいけない。
つまりそこでは「何も言えない」という宙づり状態が生まれているのだと言える。意図がどこにあるのか、真相がどこにあるのか、そんなこととは無関係に存在する、容易には解釈できない状況が、この作品には充満している。
とーい(10011040): うさぎさんの作品はものがたりのすすめかたが、前作よりよくなりました!
とーい(10011040): 文章がスムーズで、読み手の想像しやすい運ばれ方をしています
とーい(10011040): ミズホというなまえのつけかたも良い
とーい(10011040): タイトルの通り、奇妙な感じは出ていたとおもいます
イコ: 演劇に接近している方の文章を読んでよく思うことは、非常に読みやすい文章を書かれるということです。これは演劇が、話し言葉として出てくる言葉を、一度で分かってもらわなければならないという難しさに立ち会っているからだと思っているのですが、この小説も、一度で理解できる言葉で書くことを重視しておられると思いました。展開が、どんどん逸脱しているのに対し、文章だけは最後まで素直です。
イコ: さて内容はというと、歯車がかみ合う直前で、外されていくというか、バットの芯にあたらない感じがしてなんとももどかしく、それが狙いであると思うので、それ自体を否定することはもちろんできないのですが、じゃあおもしろいのか? と言うと、自分の好みからも外れていました。
イコ: また幼児性の感じられる文章が主人公の年齢とそぐわないような気がしたこと、推敲が足りないように思われたことが、自分の中ではマイナスでした。以上です。
小野寺: 文章は読みやすく思考の後を辿りやすいのでいいと思います。ただ設定がわかりにくいしきちんと設定されているのか疑問に思う。ミズホのイメージが浮かびにくい(設定がそもそもそうなのか)。そして主人公、僕の未練がやたらと強調されていて感情的な作品に感じるが、それがテーマだったら文章がそぐわない感がしてしまう。
日居月諸: 皆さまの感想を見る限り作品の掴みづらさ、理解に至らないもどかしさを感じていらっしゃるように思えます
日居月諸: そこで一つ質問したいのですが、その掴みづらさやもどかしさはどこに起因すると思いますか?
日居月諸: たとえばイコさんは展開が逸脱していくと指摘しています。逸脱していくから理解に至らないのか。
小野寺: 謎の人物が何人も登場するからではないかと思います
イコ: 男女が出会って恋に落ちて障害が起こって破局なり大団円なりを迎えるという、メロドラマ的な筋立てになっているのにもかかわらず、
イコ: その中身が意図的に「ぐちゃぐちゃ」にされてあること。
日居月諸: 6さんが掲示板に、ミズホの兄とその手下に奥行きがないから、単なる障害物としか描かれていない、と書いていましたね。本来なら障害物がどういう点で障害となっているのか、そしてそれをどう乗り越えればミズホに至りつくのか、それさえも明確ではない
小野寺: 展開が逸脱していくのは安部さんの作品とも共通している
日居月諸: その点、ミズホの兄とその手下の壁を乗り越えた先にミズホはいない、といえると思います。第一、ミズホ自身も壁なのではないでしょうか?
とーい(10011040): ミズホと兄の関係、ミズホが「全世界の女性のオリジナルで特別な人間」の理由をもう少し具体的に触れられると、読んでいるほうとしてはありがたかったかもしれないです
イコ: 奥行きがないのは、自分はむしろ狙ってやってることだと思うんですよね
とーい(10011040): そこは判断のむずかしいところですね<狙ってやっているかどうか
イコ:

<<< 「全世界の女性のオリジナルで特別な人間」これはもう少しくわしく知りたかったですね。
とーい(10011040): 兄も主人公も、ミズホを愛しているという意味で、ミズホはオリジナルで特別というのはわかりますが、それでももう少し味付けしてあったら、もっとよかったとおもいます!
小野寺: 日居さんの言われるような壁だらけの作品となるとカフカや安部公房を思いだします
とーい(10011040): 奥行きを出そうとしたら、この作品の疾走感が失われる可能性もあるし、むずかしいところ。。
イコ: 「ストレンヂデイズ」っていうタイトルは、要は日常や一般から逸脱することをまんま意味しているわけで、作者の狙いが透けてるというか、あんまりにもあざといと思ってしまうんですけど、とにかくこういう作品では、人物に奥行きがあって当たり前っていう、「固定観念」から逸脱させようと狙うことが多いので、自分は、ああなるほどね、と思いました。
日居月諸: 安部公房はともかくカフカは「壁」にならないものを「壁」にしてしまうんだと思います。たとえば、『城』などは徹底的にそうでしょう。邪魔するつもりもないのに、ヨーゼフ・Kは邪魔されてしまう
とーい(10011040): イコさんの演劇的という指摘は鋭い。
とーい(10011040): 自分はさいしょ、この作品を青春ものとして読み進めました
とーい(10011040): 野球のシーンなんか、とってもキュンとしました。ちょっと初恋っぽくて
日居月諸: 似ている、というなら、うさぎさんに実際にうかがいたかったんですけど、村上春樹の「ねじまき鳥と火曜日の女たち」を思い出しました。名前を明かさずコールしてくる女、モロに「ねじまき鳥」です
日居月諸: それがミズホの本音(?)である、という点も含めて
とーい(10011040): それが途中から、ストレンヂなかんじになってくる
小野寺: ああ、私も少し感じました。ミズホ=電話の女
小野寺: なるほどねじまき鳥かあ、(未読です)
日居月諸: 根拠は薄弱ですけどね>ミズホ=電話の女
とーい(10011040): ストレンヂなかんじになるのはもちろんいいことですが、わたしは最初の展開がつづくものがたりも読んでみたいとおもいました
イコ: ストレンヂな感じは、もっと徹底してやってほしいです。みなさんの戸惑いは、この作品が、逸脱と正常の合間で、中途半端な感じになっているところに拠るんじゃないか。
とーい(10011040): ちょっと話はそれますが、中華料理屋さんの描写がいいですね
とーい(10011040): 料理屋さんの雰囲気も出ているし、食べ物そのものの描写も食欲をそそられます
日居月諸: 私はアイドルグループが出ている番組を録画し続けるところがよかったと思います。淡々とした描写だから流せてしまうけど、一歩間違えば狂気の沙汰です。でも、狂気の沙汰って、やってる方は案外淡々としている
とーい(10011040): そこもいいですね!<日居さん
イコ: あー、なるほど。全体的に淡々としてるけど、狂気をはらんでるところがある。
小野寺: ということは日常的な野球の場面が長すぎるといえるかもしれない
とーい(10011040): もっとはじけてもおもしろいかもですね!>イコさん
イコ: 長いですね。読者が、そういう話だという頭になってしまって、その後の逸脱を素直に愉しめない。〉野球小野寺: ええ
常磐 誠: 長い。確かに長かったです。
小野寺: バットが出したいだけだったのか、みたいな
イコ: むしろ飛び跳ねてはしゃぐミズホが書きたかったんじゃないでしょうか。
とーい(10011040): しかし、うさぎさんの想像力、構想力の大きさを感じることのできた作品だったとおもいます
イコ: 飛び跳ねてはしゃぐって、んな女いるか!って思ったら、実はあなたの妄想でした、的な皮肉さが徐々に効いてきました。「アイドル」なら飛び跳ねてはしゃいでもOKですね。
とーい(10011040): 痛みのともなうシーンは、もうすこしリアリティがあってもよかったかもとおもいました
小野寺: ああ、
小野寺: なんか脱力します(笑)>イコさん
日居月諸: 野球の後ミズホと食事しに行くシーンがあるんですが、6さんが余計な叙述をしているのではないか、と指摘している
日居月諸: 「そして、それが故に僕とミズホはプラトニックな関係を保っている。」
日居月諸: これは確かに冗語です。けれど、これを主人公がそう信じたがっている、と考えると、外せないと思うんですね。結局ミズホと主人公はわかれてしまうのだから
日居月諸: うさぎさんは結構、こういう冗語を使うんです。「あまりある自信」もそうだった
イコ: この想像力で、もっとふりきってってほしいですねー。
あと逸脱するならするでいいので、イメージだけは直立させていってほしい。ひとつひとつの場面が雑に感じられる。
とーい(10011040): ここでの冗語は必然性はあるとおもいます
小野寺: 逸脱と言うよりはまわりくどい書き方をしてるんですね
日居月諸: そういう裏側の視点から野球のシーンを見ていくと、非常に丹念に描写している。この瞬間が大切なものであるように、と願うように。実際、冒頭で主人公は他の人々が寛いでる姿を、ミズホと自分の関係と重ね合わせようとしているんですね
とーい(10011040): そうなんですよね「安心して眠れる彼女の側に居たい」と願うぐらい、彼女を愛おしくおもっている
イコ: とーいさんのおっしゃった「リアリティ」に関しては、うさぎさんは狙ってコミカルな感じにしてると思うので、やるなら、徹底的にコミカルに、うすーく、うすーく、脱力させる方向にしていってほしいです。肉感をゼロに近づけてほしい。中途半端に残ってるのがいちばんいかんのではないかと。
とーい(10011040): 冗語も演劇的というか、シーンを印象づけるためには効果的ですね
とーい(10011040): でも、さじ加減はなかなかむずかしいなあ
日居月諸: 指摘されているように、そうした冗語を用いる一方で、うさぎさんは平面的な描写を使う時も多いんです。感情をさしはさまない、状況に流されるためにだとか、奥行きを持たせないためにだとか
イコ: 「冗語」の必然性は、自分も感じます。
とーい(10011040): 現実的に書くか、写実的に書くか、この問題はむずかしいところとおもいました>イコさん
日居月諸: この辺、普通ならバランスが悪いと感じられるんだけど、うさぎさんの場合は留保したくなるんです。まだそのあたりは確言できなくて、平面的な方に行ったらいいか、肉感的な方に行ったらいいか、安易には言えないんですけれど
る(shiroyama): (ウサギさんの作品の描写のあり方についてですか…)
とーい(10011040): 同意します。自分はここがうさぎさんの持ち味とおもいます>日居さん
イコ: 話は戻るけれど、カフカ、安部公房みたいなところはちょっとあったかも。とつぜんの理不尽に振り回されるんだけど、そこにテレビゲーム的な悪役をぶちこむ点で、現代的です。
とーい(10011040): るさん、ひとこと、いかがですか?
日居月諸: いや、やっぱり村上春樹だと思う。似てますもん、ワタヤノボルとミズホの兄
常磐 誠: (現代的だからそういう意味ではものすごく取り付き易かったです。)
とーい(10011040): とりつきやすいし、よみやすいとおもいました>常磐さん
日居月諸: それにカフカは自分から立ち向かわないでしょう。春樹なら壁抜けたり羊探したりするし
日居月諸: (念のために言えば、だからどっちが良いとか悪いとかじゃない、特徴の問題です)
る(shiroyama): もう多分出たと思いますが、誤字脱字は最低限なくしてください、それで、今回読んでみて思ったのは不自然な日本語が多かったことです。
常磐 誠: (自分が校正担当でした。滅茶苦茶指摘したポイントおおかったです……。)
常磐 誠: ものすごく多かったです。とても失礼な言い方になっちゃいますけど、『あれ? うさぎさんって日本人じゃなかったっけ?』と初見時に思ってしまったくらいに。(ログには残さないでくださいまし。)
とーい(10011040): 不自然な日本語かあ。。
日居月諸: 一応、時間を越えていますが、語り足りないところはありますか?
イコ: カフカはたしかに逃げようとするので、バットをもって立ち向かう点でカフカと違うという点に納得しました。
小野寺: 誤字気をつけよう
とーい(10011040): るさんに関連して、お兄さんのことばづかい、もう少し正しくて、慇懃無礼だと、もっとよかったですね
常磐 誠: 最後に、掲示板にも書きましたが、アクションのシーンはもっと練って欲しい気がします。リアルじゃない気がしました。
とーい(10011040): 耳が痛いです<誤字
日居月諸: ああ、そうそう、「ねじまき鳥」は壁抜ける時にバット持っていくw
る(shiroyama): バントの構えってのは変にリアルでおもしろかったけれど 笑
小野寺: うう、モロじゃないですか
イコ: モロすなー
とーい(10011040): よんでないから、わからないw←
小野寺: わたしもです
常磐 誠: ねじまき島じゃなくてねじまき鳥だった。そういうことに今気付くくらいには読んでない人間です。
イコ: とりあえずOKです。次行ってください。
日居月諸: 了解です。次の作品に行きましょう

■とーい「帰省」

日居月諸: 次はとーいさんの作品「帰省」を合評します。あらかじめ感想がある人は貼り付けてください
とーい(10011040): よろしくおねがいいたします!
常磐 誠: シンプルイズベスト! という言葉がピッタリくる作品で、大好きです。うわ泣きそう。みたいな。読んでいてそんな感覚になってきました。夢の中身とか、色々細かいことを書かずに家族のやり取りだけ追っていくことで、妙な勘ぐりをせずにすむのも、シンプルさに拍車をかけてなおよかったと思います。(それが万人に良いと言えるかは置いておいて)
 特別にここが気になる、どうかな? という点が見当たらないので困るのですが(笑)、良かったです。..
日居月諸: 一見説明不足な文章が並んでいるようにも見えるが、重要なポイントだけを書こうとしていることがうかがえて、無駄に叙述を重ねるよりもよっぽど情景が思い浮かべられる。
特に会話の呼吸を写しとるのが上手い。たとえばこういう会話。

>「最近、どうなの」
>「どうって、まあいろいろかな」
> すいかをかじりながら答える。
>「やっぱり、田舎のすいかは甘いね」
>「いくらでもあるからね」
> 母はほほえんでいる。

 通常、どうなの、と聞いたからには突っ込むはずなのだ。けれど、いろいろ、と答えてからはスイカを食べるだけの娘を見て、母親はそれ以上突っ込まず微笑む、というのは、実に気の置けない仲だということを示している。
全体を通して帰省という僅かな滞在の間で、心にはいったい何が残るのか、という部分を、簡略ながら丹念に描こうとしているのがうかがえる。..
る(shiroyama): (すみません手ぶらです、あとから口出します)
イコ: 最低限の節約された文章、いっそすがすがしいです。破たんのにおいとか、立体感とか、重みとか、すかっと消えて、「郷愁」そのものに属している作品といった印象でした。
イコ: ふるさとを離れている人間には、ふるさとの景色というものがそれぞれあると思うんですが、この作品は、そういう景色とあまり対立しないというか、「固有」になろうとしないところがあると思いました。現代の日本の家族っていう普遍的な「イメージ」に近づいて行こうとしているような感じがあって、読みながら、自分の家族のことを思い出したり、しやすい作品なんじゃないかと思いました。
イコ: でもせっかくの短い言葉のあいだに行間がないです。
イコ: すかっと読まれたあとで、読んだ自分に、濃密な体験や追体験が残るような、何かがほしいと思いました。
小野寺: 非常に読みやすい作品で読者があれこれと想像しやすいので書かれた以上のイメージが浮かんできて好印象を抱きます、が、何か物足りないものも感じた。細部の描写はもっと細かいほうがいいのではと思う。
とーい(10011040): 勉強になります
とーい(10011040): みなさん、ありがとうございます
とーい(10011040): イメージ、というか、東北の実在するまちを舞台にしました
とーい(10011040): 実在のまちを舞台にしましたが、「固有」については意図的に離れました
日居月諸: これが長くなったらどうなるのか、という楽しみな部分はあります。ただ、まだこういうのを書けます、というのを見せてもらった感じしかない
常磐 誠: 皆さんの書き方が論理的で良いなぁ。
シンプルイズベスト!=『最低限の節約された文章』(イコさん)
万人に良いと言えるかは置いておいて=『何か物足りないものも感じた』(小野寺さん)
丸パクリという引用なのですが、こう考えていただければ。
とーい(10011040): 濃密はないですね。。心震えるものがもっと必要
とーい(10011040): そういう意味では、日居さんが「こういうのを書けます」というのを見せてもらった感じしかない、という指摘にドキッとしました
イコ: たとえば提案ですが、この物語をすかっと読ませながらも、ところどころ立ち止まらせ、読者それぞれの記憶に訴えていくために、「日本的あるある」を積み重ねていくのはどうでしょうか。長嶋有さんは「あるある」な固有名詞を出すことで、逆に普遍的なものに近づいていく名手ですが、参考になるかと思います。
とーい(10011040): 東北感を感じるための単語を選んだつもりです>常磐さん
とーい(10011040): もも、すいか、炭鉱、廃線、とうもろこし、たまねぎ、筋子、温泉、バス、新幹線などです>常磐さん
とーい(10011040): 固有名詞の問題は考えているのですが、なかなか答えが出なくて。。
る(shiroyama): 意見被っちゃいますが 「固有」のものが乏しいという印象をもちました。のっぺらぼう的な家族、多分こんな家族いない、と読者に思われるだろうな、と思ったのですが、みなさん共感されていて今驚いているところです。
日居月諸: (筋子は確かに東北だな・・・)
とーい(10011040): 自分自身は固有名詞を使うと、色の出るのが苦手でつかわないのですが、考えなおさなければいけないかな。。
とーい(10011040): るさん、するどい!<こんな家族いない
とーい(10011040): じぶんもよくたべましたw>日居さん
イコ: 固有名詞によって出てくる色は、東北に設定することで出てくる色と、それほど色のきつさはかわらないと思います。
とーい(10011040): 自分でもわかっているのですが、血と肉がこの話には決定的にたりない
とーい(10011040): かんたんにいえば、軽い
とーい(10011040): 究極の理想は、固有名詞をつかわずに、まちの雰囲気を想像できるようにすることなのですが、むずかしいですね
小野寺: 軽いのは悪くはないと思いますよ
とーい(10011040): 悪く無いですか
常磐 誠: はい。軽いのを持ち味にガンガンフットワーク軽く書く人もいますし。
とーい(10011040): 散文に過ぎる、という印象はありませんか??
日居月諸: 散文は軽くてナンボですからね。一文が軽くても必要な分切り取れば重くなりうる
とーい(10011040): 自分の読解力が少ないせいか、どうにも凝った表現や難しい言い回しができないです。。
イコ: まちかー。今回見えてきたものでいうと、日本的情景の断片ですね。それも、先人が何度も繰り返し使ってきた言葉をそのまま使っているので、心にひっかかりがありません。
日居月諸: その点だと、やっぱり固有なのかな。重みを出すとなると
常磐 誠: けど、そんなに言う程今回軽いとは思わなかったなぁ。
僕はこんな家族いないっていうより、優しいなあ。良い人たちだなぁとばっかり思ってた楽観思考ばかりでした。
とーい(10011040): るさんが指摘されたとおり、ひとをもっと真っ向から描く必要があったかなと
とーい(10011040): 女性だったのは、逃げだったかもと。。
常磐 誠:
> まちかー。今回見えてきたものでいうと、日本的情景の断片ですね。それも、先人が何度も繰り返し使ってきた言葉をそのまま使っているので、心にひっかかりがありません。

田舎の人とまちー。みたいな感じがありありと。良かったなぁとばかり自分は思っています。
とーい(10011040): ありがとうございます!>常磐さん
る(shiroyama): 例えばとーいさんは中上健次の家族ものを読んだ事はありますか?
とーい(10011040): 中上さん、ないです><
る(shiroyama): 中上っぽく書けって言うわけじゃないんですが(書けたらとっくにプロだよ)、読者というのはある種の「異質性」に心惹かれるというのはあると思うんですね。
イコ: ひっかかりのなさは、安心して読める、というのと、読んでいて新鮮味がない、という2つの印象になっていきました。自分は後者(新鮮味)におもしろさを感じたいのですが、前者におもしろさを感じる人もいると思います。
とーい(10011040): 新鮮味、たしかにない。。
とーい(10011040): 異質性、たしかに
イコ: るさんのおっしゃる、異質性にも近い気がします。
とーい(10011040): 核となるやるせなさ、業、せつなさ、が決定的にこの作品はない
イコ: 田舎って、もっといやらしいし、どぎついですからね。
小野寺: ちょっとスパイスの効いた小道具があるとよかったかも
とーい(10011040): 記憶に残らないかもですね<作品が
とーい(10011040): 小道具ですね!
とーい(10011040): 実際、自分はお客様としての田舎しかしらないです>イコさん
常磐 誠:
> 田舎って、もっといやらしいし、どぎついですからね。

本当はそうなんですよねw
る(shiroyama): 自分と「同じ」だから読む、のと「違う」から読むというのがあると思うんですが、「純文学」って多分に「違う」ことに拘ってきたものなんだと思います。それは中上を読むとなんとなく分かると思うんですが、それに対して「同じ」で読ませるとなると、それまでの「純文学」の流れを知った上で、脱臼させていく、としないと。「純文学」読み には総スカンを喰らうと思います。 
とーい(10011040): たしかに、違わなければ、古典を読んだほうがいい
る(shiroyama): で、もちろん、「純文学」読者に向けて書かなければいけない理由なんてどこにも無いとは思ってはいます。が、わたしが、純文読みなので、一意見として言わせていただきました。
イコ: そうそう、本当はいやらしいし、どぎつい、そういうことを知った上で書く文章と、知らずに直球で出す文章とでは、深みが違います。この作品が、どうにも健康的すぎるように感じられるのは、前者(いやらしさ、どぎつさ)が見事なまでに捨てられている(意識されてない?)からで、だから妙に気味悪く見えるところはありますね。
る(shiroyama): 知った上で書くか、知らずに書くか、 ← 重要なことだと思います。
とーい(10011040): 理想なだけだから、そうなってしまったかも>イコさん
とーい(10011040): 至言です<知った上で書くか、知らずに書くか
常磐 誠:
> 知った上で書くか、知らずに書くか、 ← 重要なことだと思います。

自分も言われたことあります。知っておくだけでも違うから、知っとけ! と。
常磐 誠: あ、僕の場合は経験しろ! ですね。(言われた内容が恋愛なので)
常磐 誠: 僕も理想だけでよく書いちゃいます。とーいさん。
そしてんな奴いねぇよ、と言われまくるパターン。
イコ: ただ色んな人によってよく描かれ、想像されもする、「イメージ」としての家族の風景は、伝わってきたと思います。そういうイメージを育てる風土というのは、たしかに日本にはあって、よく「郷愁」って言葉で呼ばれます。
とーい(10011040): 小説書くの、むずかしい。。
日居月諸: 「同じ」にさせられてしまう怖さ、なんてことをふと考えつきます
る(shiroyama): 問題は、実際知っているかどうかじゃなくて、知っている風に見えるかどうか、だと思います。
とーい(10011040): イメージとしての、というのは日居さんが描写だけ、と指摘されたのにも通じますね
とーい(10011040): そこですね!<知っている風に見えるかどうか
小野寺: でも、とーいさんの試みは評価したいな
とーい(10011040): 書き方重視で、内容が伴っていなかったです>小野寺さん
イコ: どうしていくともっとよくなるでしょうね。
小野寺: 「知らない」ってことは知らない環境にある人にとっては事実なのであって必ずしも真実を書かなければならないことはないって思います
小野寺: たとえば川端康成などは「古都」や「雪国」ってものすごく美化していませんか
とーい(10011040): 自分の体験していることに手を出す必要は感じました>イコさん
とーい(10011040): 雪国は自分の目標でもあります
イコ: 雪国は行間がものすごいですよ
小野寺: 奥行をもって書かれてるけどリアリズムではないという
とーい(10011040): 明晰なのに、雰囲気があって<雪国
イコ: 川端はたしかにリアリズムから逸脱した、イメージの「雪国」を描いていますが、あれは読者が「雪国」を読む前に想像できる雪国ではなくて、「雪国」を読んだあとで初めて浮かべることのできるようになる、川端の「雪国」だと思います。
読者があらかじめもっているイメージにしたがうのか、それとも、読者の頭のなかにイメージを作り出すのか、まったく違うと思います。
日居月諸: とーいさんはある程度書けるし読める人でもあるから、書いて読んで、の実践を重ねていくことが大事なのではないでしょうか。経験値を積んで、という意味合いで
とーい(10011040): 読み書きは、たぶん、ここに集われているみなさんのなかで、ダントツ、抜群に少ないです。経験値必要ですね。ありがとうございます!>日居さん
とーい(10011040): 実践、必要だよなあ。。
る(shiroyama): 本来人間同士の会話ってこんなにすっきりしたものだろうか、、というところから心理描写というのが始まるのではないかと思います。この小説、よくするのなら、もっと一言一言にハンターハンターの心理戦バリの意味を持たせて、「はー、この会話にここまで深い意味があるとは」とか思わせるつもりでやってみてはどうでしょうか<どうしていくともっとよくなるでしょうね。
日居月諸: 時間ではありますが、皆様、語り足りないところはあるでしょうか?
イコ: ハンターハンターwww
とーい(10011040): ことばを彫刻するのが必要ですね>るさん
る(shiroyama): コムギとメルエムの関係性は日本文学屈指のものかと!
とーい(10011040): よくもわるくも、素人が書いた作品でした
とーい(10011040): よくはないかw
イコ:

<<< 本来人間同士の会話ってこんなにすっきりしたものだろうか、、というところから心理描写というのが始まる同意です。いろんな思惑があって人はモノを述べますからね。
る(shiroyama): いや、作品でも書いてある通り、何回もトライですよ!
とーい(10011040): じぶんの場合は、もっと人間を知るところからはじめる必要があると実感しました
イコ: 省筆を見習いたい……
とーい(10011040): こんな駄作を読んでいただき、いろいろご指導まで、みなさんありがとうございます!!
日居月諸: それでは次の作品に移りましょう

■6「繭たちのさざめき」

日居月諸: 次は6さんの「繭たちのさざめき」です。あらかじめ感想を用意している方は貼り付けてください
日居月諸: 失われた記憶をめぐる詩であることは文字をたどればわかるのだけど、根本から詩の読めない人間としては表層をなでることしかできない。心象風景がひたすら並んでいくが、それが統一像を結ぶことはなく、パラグラフの最後の一節で霧散してしまう。

>調子外れのレの音が曇り空の広場におきざりにされていた
>彼女という代名詞だけがあの広場におきざりにされたレの音みたいに 火のなかで爆ぜている
>だから僕には感触すら残っていないのできっと唇の感触は記憶違いの産物に過ぎない
>無人駅には僕以外にだれもいない 真空の沈黙が永遠によこたわっていた

 この詩は徹底して、それがもはや終わってしまったことだと弁えた上で、記憶を呼び起こしている。その点で安定した視点に基づいて語っているといえる。言葉は途切れることはないし、「クラースナヤ・プローシシャチ」や「ゴルトベルク変奏曲」といった複雑な固有名詞はなめらかに繰り出される。

>繭玉の雨が風に色をあずけながら
>春の嵐に溶けていく 
>手からこぼれるように
>冬は失われた翡翠色の時間を抱いて去っていく…… 

 最後のパラグラフでこう語るが、実は語り手は何も失っていないのではないか。言葉は、語り手の手中にある。その点で、失われた記憶を語っているとはいえ、必ずしも「喪失」を語っている詩とは、呼べないと思う。
る(shiroyama): (このタイミングでマッキーがログイン、 すみません手ぶらですが、いくつかの感想は本人に伝えてあります)
イコ: 6さんの言葉の選び方に惚れます。PDFの縦書きで読むより、HPの横書きで読む方が、読みとりやすい作品でした。

まず一読目、さらっと読んだのですが、イメージの奔流が、ロマンあふれる言葉によって、次々に立ち上がっていき、6さんの提示する言葉のロマン色にたっぷり浸かることができました。字面だけでなんともカッコいい! もうこの作品に意味なんかいらないんじゃね? ただカッコいい、それだけでいいじゃん、それって詩的じゃん、って思いました。

でもそれだけじゃあさすがに、と思って、ちょっと頭をひねってひとつひとつの言葉に意味を見出そうとしてみました。「彼女」や「僕」や「あなた」を色分けして、それぞれの文が誰のことを指しているのか、時制はどうなっているのかなど、くわしく読みとってみました。そうすると、あたらしい世界がひらけてくるとともに、いささかがっかりしました。なんでそこに? というような、ぎこちなく思われる単語や、「たったゆいいつ」というような、不自然な表現が、いくつも見られたからです。

内容はSFですね。これも一読目で、言葉を追うだけだったころには分からなかったことです。
とーい(10011040): 自分は詩がどうしてもよく読めないので、みなさんのお話をうかがいながら、感想を出したいとおもいます
小野寺: 自分も詩はよくわからないのですが、6さんのは小説的な詩という感じもします
とーい(10011040): SFですか
イコ: 主人公は月にいて、地球時代を回想していますからね
小野寺: いやSFとは思わないけど
とーい(10011040): わたしは社会主義国の若者の恋愛や悲劇をかんじました
小野寺: おお
小野寺: わたしも感じました
日居月諸: 空想社会主義か
小野寺: (笑)
イコ: くわしく教えてください
とーい(10011040): でも、どうしても言葉の意味のわからないところがいくつかあって、ろくさんの込められた意味を理解できないのが悔しい
る(shiroyama): 「詩」というものの本質を記述することの試みである詩だと思いました。
イコ: く、くわしく……>「詩」というものの本質
小野寺: なんていうのだろう、写真から得たイメージのように日本人が勝手に東欧世界の少年少女に思い込みのイメージを当て嵌めたような感じ
イコ: 身も蓋もないw
緑川: (お久しぶりです、常磐さん)
とーい(10011040): 詩というものの本質。。
日居月諸: 私もそれは思った>イメージを当てはめた
常磐 誠: あぁなるほど。>イメージを当てはめた
イコ:<<< 社会主義国の若者の恋愛や悲劇これもくわしく知りたい……
「社会主義国」とくくるってことは、固有の何かが描かれてるってことですよね。
とーい(10011040): イメージについておなじことを感じましたが、るさんの本質について触れられているとなると、自信がない。。
る(shiroyama): 「あなたは星座をみつけるのが得意だった」
「あなた」に付託されているものはなんだろう、と考えた時にこのセンテンスにぶつかりました。詩とは川の流れとか星の連なりに何かしらの「名」を与える、手相占いとかと同じ発想ですが、忘却=反詩的なもの、と命名=詩的なもの の対比として描かれているのではないかと。
日居月諸: 小説しか読めない、つまり登場人物の感情の機微しか読めない私にとっては、ここに感情はないんです。言葉しか存在しない。すくなくともそれらしきものとして描かれている「喪失」はまるで感じない
とーい(10011040): 多分、わたしは詩についての文法をまったく持ち得ていないため、誤読しているのかもしれないな。。
とーい(10011040): クラースナヤは赤の広場ですよね
イコ: そうですね、赤の広場。モスクワにある。(最初は人の名前だと思った。言われて調べて分かった。)
とーい(10011040): 秘密秘密、は言葉狩りを恐れているひとのイメージ
とーい(10011040): ポシェットからは存在しない街のなまえ、は国に消されたもの。歴史とかも
とーい(10011040): すみません、わたしの解釈がまちがっていれば、指摘してくださいね
とーい(10011040): 本当に詩はむずかしくて、わからなくて。。
イコ: おもしろいです。
イコ:<<< 忘却=反詩的なもの、と命名=詩的なもの の対比として描かれているのではないかと。深いな……すげぇ
とーい(10011040): 少数民族のことばを専門課程にしている彼女は、むらをまちを追われた娘。あるいは出自さえふれられない、みたいな
とーい(10011040): はあ、るさんの本質的な捉え方の前では、やはりわたしの理屈だった解釈はゴミだなw
る(shiroyama): いや、決してそんなことは無いと思います、>とーいさん
イコ: 自分は月に移住がかなって、さらに冷凍睡眠とか、寿命を延ばすとかに成功してしまった人類が、大規模な戦争によってほとんど滅びてしまった地球の文明を、あくまでも個人的な記憶によって追想する、とてもかなしい詩だととらえました。だからSFです。
る(shiroyama): 詩書きが詩を書く人しか意識しなくなったらやっぱりつまらないし、6さんからしてみても普段詩を読まれない方の意見が欲しいんじゃないかなと思います。
とーい(10011040): 月は空想かな、ともおもったのですが、たぶん、宇宙飛行士のイメージだったとおもいます
とーい(10011040): そういっていただけると、すくわれます。。おそれいります>るさん
とーい(10011040): 社会主義国の宇宙飛行士ですから、もはや軍の命令だとおもうのです
とーい(10011040): 夢を見て宇宙へいったのでなく、悲劇(戦争)のきっかけを作るための宇宙飛行
日居月諸: スプートニク的だな
日居月諸: るさんにうかがいたいんですが、詩は「喪失」を前にして沈黙せざるを得ない状況の時に、あくまで「沈黙している状況」を言葉に表そうとするものですか? もしくは、「喪失」そのものを装飾した言葉によって書こうとするものですか? 両方の立場がある、などのご回答でもかまいませんが
る(shiroyama): わたしはあまり(今回そういう風に私が想定した)「メタな詩」というものを書いたことがないので、難しいんですが、「喪失」というのは存外深い言葉で、「喪失」という言葉が言及された時点で、それは「喪失」ではないと思います。
とーい(10011040): さいごのほうで「月面に国旗を競ってたてたこととどう違うのだろう そこにどれだけの血がながれたのだろう」とあるから、主人公は反社会主義ですね
日居月諸: でしょうね>言及された時点で「喪失」ではない
る(shiroyama): そうですね、わたしもソ連/ロシアの対比で スプートニクを間に入れて、 忘却/命名をアナロジカルにぶちこんで、読みました。
とーい(10011040): 反社会主義を感じさせるのは、最初のほうで「蝙蝠たちの死骸が積み上げられている」とわざわざ描写されていますし
日居月諸: 今回私が思ったのは作品の言葉が極めてよどみなく繰りだされるところだったんです。ちょっとこれはおかしいと思った。詩特有のものなのか、と思ったけれど。少なくとも過去を回想する形としては饒舌すぎる。言ってしまえば詐欺的なものさえ感じた
る(shiroyama): その根が深いとされる「喪失」というのをどういう風に、描くのか、というのがわたしの興味でもあったのですが、わたしの至らなさもあるかと思いますが、最後は「詩っぽさ」に逃げてしまったような印象を抱きました。
とーい(10011040): ここでみなさんに質問なのですが、この詩の主人公の年齢はどう感じられましたか?
イコ: 自分はこの饒舌は、手紙のようなものかと思いました。気取っているところがある手紙の主。
緑川: 年齢は気になりませんでした
とーい(10011040): 具体的にいえば、主人公は何歳だとおもわれましたか?
とーい(10011040): わたしは、老人だとおもった
とーい(10011040): それがただしいのか、ただしくないのかが知りたい
緑川: 当て嵌めを拒絶するような感じ
とーい(10011040): すみません、ちょっと熱くなってしまいましたw
イコ: 26歳くらい(つまり作者の年齢)←でも前に言った通り、月に住んでずいぶん時間が経っている。さらには地球が浦島太郎になるような、何事かの特異な(SF的な)状況設定があって、思考回路は若い頃と変わらないが、記憶は薄れている。自分のいなくなった後の地球で何が起こったのかを知っている。それを詩的な言葉遣いで気取りながら、かなしむ26歳。
緑川: 読みながら、想定はしなかったですね
とーい(10011040): じぶんは退役軍人、どうでしょう、年の頃は70才ぐらいかな、とかんじました
とーい(10011040): 自分の感じ方、まちがいですね><
る(shiroyama): 年齢というのが地球の回転に根ざしているのなら、この語り手は余り歳をとっていないのかな。
イコ: 人それぞれの感じ方でいいんじゃないでしょうか。そこは解釈ってことで。>とーいさん
る(shiroyama): 間違いは恐れないほうがいいと思いますよ
とーい(10011040): 若き日の記憶、彼女や国家や戦争を回想し、失われた翡翠色の時間への憧憬を描かれたのかなとおもっていました
イコ: あきらかに見て分かる間違いなら、それは間違いだけれども……
る(shiroyama): 限りなく間違いは存在しない、というのがわたしの考えですが。
小野寺: たぶん宇宙空間にいる間にみんなが年を食ってしまい自分は若いままなんだけど年はみんなと同じというのではないかなあ
常磐 誠: 私も若いと思いました。何故か女性的な気がして、二十代くらいの、若い女性を思い浮かべてました。
とーい(10011040): それぞれの感じ方でいいとはおもいます。ただ、ろくさんの作品に込めた思いには寄り添いたいとおもいました
とーい(10011040): だから、感じ方はそれぞれでいいとはおもうのですが、思いを読み取ることには誠実でありたいなと
とーい(10011040): 小説は明晰さをもって良しとするところはありますが、詩は明晰さはなくていいのでしょうか?
とーい(10011040): 年齢一つとって、みなさんの意見がちがうのは、詩の世界では当然のことなのでしょうか??
小野寺: 月面を競っているのはアメリカだから反社会主義というよりは反宇宙開発競争なんじゃないの
イコ: やったぜ。小野寺さんの読みがSFに近づいてきた。
とーい(10011040): これはろくさんや詩を批判、否定しているのではなくて、詩というものがそういうものなのか知りたくて質問しています
日居月諸: 明晰にも色々定義があるとおもうけれど、読みとり可能≠明晰ではないと思います。
とーい(10011040): そうですね<読み取り不可能
日居月諸: 描写されていることがハッキリとさえしていれば、すなわち明晰になるのではないでしょうか
緑川: この詩の場合、「感触としての記憶」って作中で書かれてるくらいなので
日居月諸: それを外側の言葉で語れるかどうかは別問題です。端的に、この詩において年齢は語られていないのだから、外側の言葉だということでしょう
小野寺: 設定はSFですね
緑川: この詩で書かれてること自体が、明晰さを求めていないし
る(shiroyama): (そういえばこういうことを昔やったなぁ http://twibun.jimdo.com/%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E6%B4%BB%E5%8B%95/%E7%AC%AC%EF%BC%96%E5%9B%9E%E5%BA%A7%E8%AB%87%E4%BC%9A-%E8%8A%B8%E8%A1%93%E6%80%A7%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/)
とーい(10011040): しかし、SFという読みと、どちらかといえば現実を感じた自分の読みに、大きな断絶があるなあ
とーい(10011040): わたしは大きな間違いをしているな
緑川: 場所によっては、「記憶違いの産物」とか自分で言ってるし
とーい(10011040): 記憶違いの産物は、思い出をバラ色に描きすぎた、という意味と理解していました
イコ: ここで明晰さについて語るのは難しそうだ。
緑川: べたな追憶とか回想がこの詩のテーマではないというのが私の考えなので
緑川: 湿度の高い追憶とかを拒否するような姿勢そのものが、この詩のいわばテーマ
緑川: だから年齢的なことは、私はあまり気にならなかった
とーい(10011040): 緑川さんやるさんの指摘からいくと、わたしは詩を読む資格が無いな
とーい(10011040): うん、詩はあきらめよう!w
緑川: いえ、資格とかそういうのは
緑川: どう読んでもいいと思うし
日居月諸: あきらめんなよ!by松岡修造
緑川: 私は、こんなふうに読みましたって言ってるだけなので
る(shiroyama): 同じくです。
イコ: みんな断言しますからね。うん。
緑川: ですねw
とーい(10011040): 明晰さというのは、意味というか書かれているものがひとつだけ、という意味でつかいました
イコ: じゃあ小説も、別に明晰である必要はないし、詩もないんじゃないでしょうか。
緑川: 解釈は人それぞれなので、それらの複数の解釈のうち、どれが自分にとってクリアであるかということなかと
緑川: うん。小説でも詩でも、音楽でも絵画でも同じ
とーい(10011040): むずかしい、わけわからなくなってきました><
とーい(10011040): ことばは明晰であるべき、とおもっています(小説については)
とーい(10011040): 個人的な美意識にすぎないですがw
イコ: 作者は思いをこめてます、そこを汲みとろうとするのはいいと思うんですけど、ときに、作者の考えもしなかったことが出ますね、そういうのって、作品の可能性として、大いにアリだと思うんですね。
日居月諸: 明晰と一口にいっても、伝えることが明晰なのか、書いて(描写して)いることが明晰なのか、という違いはあると思いますね
小野寺: これは詩なので両義的でもOKですね
緑川: とーいさんの言われる「明晰」って、けっこう作者にとっても難しいんですよ
日居月諸: 前者の明晰さなら、無くてもいいと思うけど、後者は間違いなくあった方が良い
る(shiroyama): 詩は解釈を避けるものなのか、という、とーいさんの問いですが、一般的に言ってそういうところあると思います。また 「詩的なものについて」という企画とかあっても面白いかもですね。
とーい(10011040): しかし、SFというのがわからなかったのは、わたしショックです><
常磐 誠: (ようやくこの流れが理解できて来た気がする。フィクションの中に本当をひとつまみずつ入れてる気がします。史実とか。イメージとして。)
イコ: みんなの読みとった内容まで分かったらエスパーじゃないですか?
緑川: 作者自身が明晰であろうとしても、そこまでこなれていない言葉もけっこう出てくるし
常磐 誠: (だから僕も現実的なものとして捉えた部分はありますよ。必ずしも「これはSFだ!」として書かれたものではないと思うのですよ。)
とーい(10011040): 読み取ったというより、書かれているものについてです。SFが書かれていたというのはショック
イコ: はい、あまりに言葉ひとつひとつの意味理解にブレが生じる場合は、作者の責任も大いにありますし、むしろそちらの方が多いですね。
とーい(10011040): 20世紀のオーケストラによるものだ、という記載もあったので。。
緑川: 詩の場合は、一つひとつの言葉をしっかり拾っていけば
緑川: その作品のキモの部分がなんとなく見えたりします
とーい(10011040): わたしは退役軍人の回想とおもったわけで><
イコ: 20世紀の、ってきたので、自分は、あ、世紀を意識させた、そしたらこれは確実に世紀を未来にブッ飛ばしてるな、と感じた。
とーい(10011040): 考えすぎなのか><
とーい(10011040): 帰球許可は死へのカウントダウン
緑川: 6さん自身が、何か新しいことをされたかったんだろうなと思いました
とーい(10011040): かなわなかった、若き頃の恋人のもとへたどり着きたいとおもう
イコ: (たぶんこういう感想のひとつひとつが、6さんにとってはありがたいだろう。自分の書きたかったことから、ここまでズレているのか、とか、ぜんぜん書けてなかったようだ、とか、いやけっこう読みとってくれてるじゃん、とか。)
とーい(10011040): どうすれば詩を読めるようになるのかな。。
常磐 誠: 確実に世紀を未来にブッ飛ばしてる
=未来から世紀を見つめてる、と捉えましたけど、『ブッ飛ばしてる』の意味がよくつかめないです……>イコさん
小野寺: うーん、宇宙開発って1960年代に熱狂していたのでノスタルジアのように思えるのは私だけだろうか
緑川: 物語性を拒否したかったのか(それで、こういう形式をとられたのかなとか)
イコ: あ、作者が世紀を未来にブッ飛ばしてる、という意味です。つまりSF的にしてる。
とーい(10011040): ノスタルジアだとおもいますよ>小野寺さん
常磐 誠: 意味分かった! 分かりました。ありがとうございます>イコさん
とーい(10011040): なので回想かとおもいました
イコ: 20世紀じゃなくて、21世紀でもなくて、22世紀ぐらいかなと。
イコ: んー、21世紀でもまあいいな。
とーい(10011040): すみません、ろくさんの作品をぶち壊しにしてしまいました><
常磐 誠: ぶちこわしてナンボの世界でもあると思います>とーいさん
小野寺: とーいさん、そんなことないよ
とーい(10011040): わたしは20世紀末期、あるいは21世紀ぐらいです
とーい(10011040): ソ連崩壊後の世界
小野寺: そうですね
小野寺: 今はロシアとアメリカはわりに協力的ですから
小野寺: 宇宙開発は
とーい(10011040): ただ、ただしく読みたいし、感じたいとおもっていますです
とーい(10011040): すみません、頭でっかちで。。
日居月諸: 一応、時間を過ぎましたが、語り足りないところはありますか?
小野寺: いえ、この作品は設定をもっと明確に提示すべきだったんじゃないでしょうか
常磐 誠: 確かに書き手の意図に沿った読み方ってしたいなって思いますけど、できないものはできないですし、『伝わんねーよ!』という指摘をするのも大事だと思います>とーいさん
イコ: そうするとさらに小説に近づいて行きますね>小野寺さん
緑川: 設定を明確にすべきならば、ふつうに小説にすれば良かったわけで
緑川: だから、こういう形式を取られたこと自体に意味があると思うし
イコ: 「芸術性について」の議論で、表現と伝達について話したのを思い出した。(最後の方しかいなかったけど)
緑川: それを私は考えたわけで
とーい(10011040): この場合は、伝わんねーよ! ではなくて、読み手としての自分の能力の限界をかんじたわけであって
緑川: 伝わんねーよ! は、大事な前提かと
緑川: 分からないのに、分かったふりをするよりよっぽどいいです
常磐 誠: 読んでてふわふわして、切なかったりしたのは『詩』っていう世界でそういう部分(設定)をしつこく考えさせなかったからだったのではと思います。自分としては詩っていう世界で良かったなと思います。>小野寺さん
イコ: (自分はとーいさんの読み方がおもしろかったけど……自分にはできない読み方だったし……)
常磐 誠: (ホントですよ。)
とーい(10011040): わたしが熱くなったのは、一貫して、ろくさんの作品についてというより、わたしの読み手としての能力によるところであります
イコ: うん、自分もこれ詩でよかったと思いました。これは冗談だけど、さいきん、あの人の使う言葉はいちいち詩的すぎる。
とーい(10011040): 自分はいこさんの読み方がおもしろくおもいましたよ
とーい(10011040): それこそ、自分にはできない読み方
とーい(10011040): 詩の読める方がうらやましいです
小野寺: いえイコさんのいわれるようにSFって一読でわかる人はほとんどいないと思いますよ
常磐 誠: 私がしばらく静かだったのは、一貫して、全然理解できちゃいない自分の脳みその能力不足によるところであります。
しばらくぐわんぐわんしてましたw
とーい(10011040): もちろん、概念というかイメージで書かれた作品というのはおぼろげに感じはしたのですが。。
イコ: (常磐さん、tweetしてましたね)
常磐 誠: (ぐわんぐわんして、そのまま落ちる、みたいなパターンだけは避けようと必死にあがいてましたw)
イコ: 6さんにどうしてったらいいかっていう、建設的なところをもっと伝えてもいいかも。
とーい(10011040): ろくさんがこの詩に込められた思いを聞いてみたいけれど、それは失礼だし、無粋だな
とーい(10011040): わたしは、わたしがどうすれば詩を感じられるようになるか知りたいです
緑川: いや、訊かれてもいいんじゃないかなと
イコ: 自分は6さんに、「ぐるぐると」「ゆらゆらと」っていう日本的な言葉や、「たったゆいいつ」っていうようなぎこちない言葉をなくしてほしいです。
緑川: 「別に興味はないけど、ちょっと訊いてみました」みたいな訊き方はやっぱり失礼だけど
緑川: 漢字を平仮名にしてる複数の箇所の必然性がよく分からなかったり
とーい(10011040): 聞く、というのはわからない、暗に伝わらない、というのが前提にあるわけで、詩人にそういうのは失礼かと
常磐 誠: 僕はどうしても最後の方の、『メモリ』がひっかかってしょうがない。うーん。
イコ: あと「……」は避けられないもんだろうか?
イコ: 3点リーダは逃げだと思う
とーい(10011040): いろいろ野暮な感想でした、失礼しました><
緑川: あぁ、確かに、3点リーダ
常磐 誠: あー! 詩で確かにそれは!
イコ: ひらがなと漢字の使い分けは、たしかに微妙すね。
常磐 誠: abさんご、を意識したはずはないでしょうけど、読み手に使い分けの必然性を感じさせられないようなら、やってはいけないことなのかな、と常磐は思います。
イコ: バッハ/ゴルトベルク変奏曲の、間の「/」が意味不明
緑川: ラストで、春になった感じが今ひとつ
緑川: しないかな
緑川: 春の予感みたいなものがあればよかったかも
常磐 誠: ああいう時ってどういう風に書いたら良いでしょうかね?>イコさん
緑川: 私が見落としているだけかな
イコ: ゴルトベルク変奏曲が~だけにするか、バッハの、にするか
イコ: いずれにせよ、「/」は気取りがすぎると思います。
イコ: 春の予感は、自分も感じられなかったです
緑川: 唐突さを出されたかったのか
イコ: 春の嵐がどこかに出てるとよかったですね
緑川: かな、やっぱり
常磐 誠: 今改めて最後の方読み直しましたけど、イコさんと同じ意見です。切ないけど、言葉面でしかその切なさは見えない。>緑川さん、イコさん
イコ: ひとことで「春の嵐」ってのは、ちょっと重みをもちきれていないです
常磐 誠: バッハの、の方がむしろシンプルで良かったですね。>イコさん
イコ: とりあえず、こんなとこかな……(時間さえあれば、6さんに直接もっと突っこみたい)
とーい(10011040): 日居さんを差し置いて、熱くなってしまい、失礼しました><
日居月諸: いえいえ
とーい(10011040): おわびいたします>日居さん
日居月諸: ホストとか名ばかりですのでw
常磐 誠: でもそれくらい熱く語れる人も必要だと思います(フリーズしてた人曰く)。
イコ: いつも熱くなってるけど反省しない自分。
日居月諸: とりあえず、今日の合評はこんなところでしょうか
イコ: ありがとうございました。
とーい(10011040): お疲れさまでした!
緑川: おつかれさまでした
日居月諸: 皆様、お疲れさまでした。
常磐 誠: お疲れ様でした!
緑川: (ちょっとしか参加してませんけど・・・)
小野寺: お疲れ様です
イコ: 全作合評に参加してみての感想。
やっぱ合評は楽しいし、勉強になる。
「分からん」は言いたくないが、「困ってた」作品の読みの手掛かりが得られた(とくにるさんの作品)。自作が合評されなくても、合評に参加する意義はあると感じた。
常磐 誠: 「分からん」ってやっぱ言いたくないですよね。
イコ: 続いてLi-tweet2月号についての感想。

全作品共通して、言葉の選び方にもっと配慮すべきと感じた。読み手を意識しない「ぎこちない」日本語があふれていた。徹底的な推敲が必要だと思った。書いてから読みなおしのされない、ケアレスミスだらけのもったいないテストみたいだった。
書き手が精神的に安定していないのもよく分かった。不安な作品が多く、そういうものを読んでいると気が滅入ってしまった。そのぶん、とーいさんや小野寺さんの作品は貴重だった。常磐さんの作品はとても明るくてよかった。とかく暗くなりがちな雑誌のムードを、一作でぶち壊してくれた。

 

常磐 誠: (ありがとうございます)
イコ: レビューはあまりおもしろくなかった。やっつけ仕事みたいに見えた。でもこういう試みはとても好きなので、次号以降もやってほしい。
イコ: 特集は「特集らしさ」が足りなかった。小説以外の原稿もほしかった。自由投稿とのちがいがよく分からなかった。
常磐 誠: 次は自分が編集長なのでそこに気をつけたいです……。大事だ。>特集らしさ
イコ: あと電子書籍で巻頭詩って、むずかしいと思った。他のコンテンツと並列にされてしまうため、扉の役割をきちんと果たしているかは疑問。
イコ: こんなとこかな。あとで掲示板に貼っておきます。いいですよね。