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詩「しおん」:とーい

小説「白い家」(25枚)第一回:aya

小説「マイ・フーリッシュ・ハート」第一回(15枚):る

 

ふかまち: 詩「しおん」:とーい

ふかまち: 感想を用意しているかたは貼り付けお願いします。

Pさん: 色が印象的なカッコいい詩ですね

6: まず、とーいさんが詩を書いたということが驚きでした。そして雰囲気がでている。固有名詞もよいものがあると思います。ただ、組み立てが書き足りない部分があると感じました。良い詩はやっぱり崩せないところがありますが、もう少しかっちりきっちり仕上げてほしかったと思います。ことばのつなぎの部分とかを。詩の言葉としては魅力的なものがたくさんあるので作者にとってかっちりとした詩を完成させることができるはず。もっとたくさん書き、とーいさんの詩らしいものとはなにかをあぶりだしてほしい。

日居月諸: 一風景を切り取った詩という意味ではまとまっている詩だと思います

ふかまち: 海に花を投げたのでしょうか、それとも岸辺にそっと置いたのでしょうか、海に花束を投げる絵が頭に浮かんで散骨などの別れの詩かな、と思いました。紫苑という花ではなくて紫苑色の花束、としたのは、詩に紫苑色の雰囲気を漂わせるためだったのかなって思いました。

る : 紫苑色ってなんだろうなぁと考えてた

Pさん: しかし四、五つ目のまとまりが何となくイヤですね

6: 水面に浮かんだ月と星に紫苑色の花束がぶつかって輪郭が失われたという意味だと思うのでやっぱり海に投げ込んだということかな。

Pさん: 輪郭が失われたのは、メンソール(タバコ)の煙と思ったんですが

ふかまち: かっちりきっちり仕上げるというと、花束を海にささげた人の心情を描くとかですかね?

ふかまち: なんだろうなぁと考えてどんなものが浮かびましたか?>るさん

る : どうだろう単にそういう色の花束なのかな

6: たとえば前半の風景は具体的なんだけど、中盤以降から抽象的な淡い感じに寄り添っていると思うんですよね、ですから風景の強弱ともいえるかもしれないけどそれがグラデーションになっているというわけでもないのでそこを意識的にしてほしかったかなぁと。あとは言葉のつながりの魅力にもせまっていると思うので風景を具体的に描きながらも詩的なものをいかにこめていくかというのをもっと考えてほしいと思いました。」

Pさん: グラデーションに関しては思いましたね

Pさん: 最初の行で、「深く沈んだ夜」だから、それ以上の色の変化を誘かない気がする

Pさん: 暮れていくんならわかるけど

6: グラデーションでなくても、急な転調でもかまわないと思うんです。でもその場合は急な転調であることにもっと意識的になるべきだと思った。

Pさん: 最後の「藍色に変わっていく」が想像しにくい

ふかまち: 最後は夜が明けていっている様子をかいているんだろうけど確かに想像しにくいですね

Pさん: 藍色に変わるのは明ける時か

6: 「紫苑色の花束を海に 細いメンソールに 火をつける」ここはなぜか花束を投げたのが女性で投げた瞬間に海に背を向けて火をつけるようなものが浮かび上がってすごいと思いました。個人的な想像なので作者の考えているものとはぜんぜん違うかもしれないけど。

日居月諸: 女の人はメンソールですね、個人的経験ですけど

6: 紫苑という言葉に何かしら意味をこめた女性が、やはり何かの手向けに、埋葬として、この花束を投げたような想像をしました。

る : 私は誕生日かなんかに花束をもらったキャバクラのネエちゃんが、海にそれを捨てに来たと思った

6: 「無機質に打ち寄せる波は テトラに触れ 静かに崩れていく」花束を投げる前のこれも何だか死の匂いみたいなものを感じました。

6: 風景的には水面(視線・下)から、空(視線・上)なので一応、何かを忘れて、前向きに何かを受け止めていこうみたいなものがあると思いました。

6: (ふだんのとーいさんのツイートからは想像できない詩でした・・・これは悪い意味ではなくて)

Pさん: 花束を売る自動販売機とかあったんですかね

ふかまち: 「紫苑色の花束を海に/細いメンソールに/火をつける」ここで6さんの言うような前向きにみたいな感じで、なにかを断ち切って一息ついてる感じがしました。

ふかまち: 花束を売る自動販売機ですか!?

6: その自販機、やばいです……

6: 花の名前を書かずに、別の花の色で呼ぶというのも気になりました。紫苑ではないのでしょうね。

ふかまち: 花束を売る自動販売機が気になりますが、そろそろ時間なので言い残したことがあるかたはいまのうちに!

Pさん: ここに書かれていないことで、書き手の「つもり」がありそうだから、それを聞いてみたいですね。

6: とーいさん、また合評にお越しください。。

ふかまち: そうですね、書き手に聞いてみるとまったく違うかもしれないから。

 

次の合評。。。。

 

ふかまち: 小説「白い家」(25枚)第一回:aya

感想を用意してるかたは貼り付けお願いします

6: 25枚という量でここまで視点人物が変わるのはエンターテイメント系の小説ならありかもしれませんが少し困惑しました。端的なことしか書かれていない文体が統一されていますがキャラクターの造詣が紋切型的なものにとどまっていて、もう少し魅力をつくってほしかったと思います。もう少し視点人物を少なくして、今回は『白い家』そのものの不気味さをあらわにすることに集中したほうが良かったのではないかと思いました。

ふかまち: (すごく個人的なんですが)泉という女の子をさまざまな視点から書いているのが、読みかけのままになってしまっているチボー家の人々の存在を思いおこさせてくれました。泉を知るまたは泉と関わっている人は出てきても泉があまり登場しないままに話はすすむけれど泉の輪郭線は濃くなるように書かれていて、泉のとうじょうが気になるような仕掛けになっているのかな、と連載の苦労を見たような気がします。

る : 設定がいりくんでいるわりにはすらっと読めたと思う、まずい日本語が1箇所あったけどどこだったか思い出せない。

る : あと絹江が樹に対して内弁慶って言葉を使うけど、その後の性格描写がどうもそうじゃないような気がしたかな。。

日居月諸: 視点が移り変わることの狙いは恐らくこれからじっくりと展開すると思うのでひとまず措いて、非常に興味を持てる題材でした。今のところはどこかしらに忘れ形見を残している人が何人か出てきて、それを傍から見ている人間が同じだけいる、といった感じなので、ここからどうつながるか楽しみです

6: 「俺も詳しくは分からないんだ。ただ、子どもの頃に、澤井家に引き取られてきて、そこの一人息子と一緒に育ったらしい。」ここは澤野家でしょうか。

る : そうだと思う。そのひとり息子が宗一郎だよね?

aya: です。ここは校正ミスですね。

る : ああ、そういうことか、ごめん

aya: 澤野家の本家の息子は宗一郎ですが、いわゆる嫡出児が樹になります。

る : 泉はあの気狂いの老人と、ひとりの少年に、人生を狂わされたのだ。

これは。。。と思いました。。

aya: 気狂い、がまずいでしょうか。

る : いや、そういうことじゃないです

る : 官能小説のにおいがした 笑

aya: あれ? 笑 違う?

日居月諸: えっ、そういう方向じゃないんですか?

る : あ、日居さんも一緒か。普通そういうこと想像しますよね

aya: そうです。でも、対象は泉と老人、とは書いていないですよね(まだ)。あと、これは誰か気づくのかな、と思ったのですが、作品自体が『SNOW DANCE』の続編です。

日居月諸: よかった、楽しみが削がれなくて

る : 序盤にやたら泉の清潔感が強調されていたのも、このための布石なのかぁと思って、オラわくわくしたぞ

aya: 自分でもどうするのかイマイチ分からないです…動くのは蒼介かな、と思うのですが…

日居月諸: 下世話はそこそこに、8ページに「自分の孫の異母兄弟と一緒に育った少女。」という叙述があるんですけど、このややこしさが一番いいですね。読者としては一人一人系図に書き加えていくわけです。また、登場人物もそれを改めてたどっている。どういう経緯でこうなったのか、と言う具合に。説明じみている部分が否めないんですが、わかりやすい言葉にするとよりおかしさが出てくる。一層、同じ屋根の下で何事もなく暮らしているということがおかしくなってくる。説明することによって破綻の予兆が出てくる。

ふかまち: なるほど

日居月諸: 読者と登場人物の心理が逆に動いてるんですよね。読者としては説明してくれるから腹に落ちる。登場人物としては説明しだすと解れを来たして破れになりかねない。

aya: なるほど~。あと、目標は決して視点を一人称にしないことだったので、最後まで全員が関わるようにできるかどうか…。泉を出すかどうかは考え中です。

日居月諸: 明晰にすべきところは素直に明晰にしてもいいと思います。物事を根掘り葉掘り掘り下げていくとかえって分からなくなるというのはあるので

日居月諸: 視点の移り変わりも明晰さに付随していければいいと思います。関連人物を一切合財洗い出す感じでね

aya: うん、そうですね。閉鎖的な空間で育ったことに設定してるので、泉の記述を入れないと空白ができてしまうかな、と。あとは、エキセントリックな人たちを、きちんと狂ったかんじで描けるかどうか。

日居月諸: 最近数年前に起きた尼崎の事件群をふと思い出しまして、あれなんかも分明になればなるほどわからなくなりますね。なるほど、AがBを殺した、はて、じゃあなぜAはこんなことをしたんだ、なるほど、Cに操られていた、じゃあCは……と言う具合に行って、まわりまわって元の位置に戻る感じがある

日居月諸: 物事が連鎖してるんですよね。原因が一つにつかめない。世間では拘置所で自殺した女の人のことを主犯としていて、まあそういう感じもあるのは事実なんですが、小説としてはそこでもう一回掘り返して、じゃあこの人の性格はどこから来たんだ、とやってみると面白い。不謹慎な話ですが

aya: うん。なかなか次回の展開の参考になりました。とりあえず最後まで行くかどうかは不明…。ただ、泉という子がどうしてできたのか、彼女はいったい誰なのか、その人格を持ったままどこに行くのかは、書いてる自分でもすごく興味があります。途中まで自分でなんとか絞り出して、あとは自分たちで動いてくれたら最高です。

ふかまち: 作者もまだわからない泉の行く先が気になります。

 

次の合評.。。。。

 

小説「マイ・フーリッシュ・ハート」第一回(15枚):る

感想を用意しているかたは貼り付けお願いします。

る : よろしくおねがいします

Pさん: これは僕にはドンはまりで、るさんが小説を書くとこんな風になるのかと、感心しました。

次の行と、次の次の行が楽しみになるような小説が連載で読めるとは、次号が楽しみです。

Pさん: こっから、詩人に関する検閲と、翻訳のテーマが、どう展開していくのか、ワクワクしますね

ふかまち: 村上春樹の文体を真似してちゅるちゅるっと書いてしまっているようだけど複雑な靴のところ「やつらは絶えず自らに緊張を強いていないとどうにかなってしまうのだろう」とか「日本における最後の詩」とかこういう他の人には書けなそうなものを入れてくるところが、変な描写なんかに寄りかかっていない感じがして、いいなって思った。

日居月諸: 春樹チルドレンと呼ばれる人の小説は読んだことがないのですが、多分こういう小説を書く人のことを言うのだろうなあ、と思いました。ただ、るさんの場合はかなり批評意識があって、まず主人公は詩人であり、詩人はこの作品世界では存在を許されない。そこですでに欠落しているわけです。実際には欠落していないけれど、制度によって欠落を余儀なくされている。つまりこの作品は本来の言葉をなくした人間がそれでもなお書く作品なんです。村上春樹のデビュー作である『風の歌を聴け』では失ったものと得た物を書きだすシーンがあって、そこから語り手が書き出すんですが、そのあたりへの目配せがうかがえる

6: 序盤、徹底して春樹なところが面白くて、パロディになっていると思った。そして、途中から急に高橋源一郎ぽくなるところも面白かった。これは春樹がボケで、高橋のゆるふわなつっこみぶりを愉しむことができるまんざいのような小説であり、それはフジツボが考えられる限りにおいてフジツボという言葉にも表れてると思う。もともと高橋が春樹をもとにして小説を書いたと聞いたことがあるので相性がいいのはすでになのかもしれないが。

6: 春樹にとっても高橋にとっても鋭利さがあると思う。この小説はクールな自分を保とうとする春樹的な精神とそれが向き合う高橋的なスキャンダラスな世界。二人の鋭利さを利用して、脱臼して新しい小説が生まれることを願います。

6: けっこうてけとうなことを言っているので、流してください。でもそう思ったこともたしかです。

6: 「僕は、そのダイヤと傷の関係性を考えていた。それはミックジャガーとキースリチャーズの関係とは少し似ていたが、ピラミッドとアメフラシの関係とはかなり違っていた。僕は腕を組んでその関係性に名を与えようと脳を濡れ雑巾のように絞っていた。」この有り余る春樹な感じはいいなと思いました。

ふかまち: 春樹な感じは随所で現れていますね、これでもかってくらい。

6: 春樹もよく「耳」とかに注目したりしますね。これは「靴」ですが。

aya: あたしは、あまり春樹的なかんじはしなかったかな…。真似してるな、というのが分かれば分かるほど、言葉の選び方が違ってくるのが、より際立つ、というか。。。春樹の文章って誰もが真似したくなると思うのですが、やってみるとすごく難しいんだと思います。

6: 実際、真似するのは難しいですね。。

6: 他にも現代詩人がたくさん出てくれば面白いですね。あと、るさんが書くということでぜひ文学極道という一派についてもだしてほしい、と思いました。

ふかまち: るさんからなにかあれば。。

る : 特にないですよ

ふかまち: ほう

ふかまち: るさんはこの作品を前編後編を書いたら終わらせると言っていましたが、好評のようなので長編にしてみたらどうかなって思いました。

ふかまち: 現代詩人をたくさん出したりしてね!

6: 壮大な世界観ぽいので次の後編で終わるのかというのは気になります。

Pさん: マジっすか? 一年は続けて下さい!

6: ねじめ正一を出してほしいです。

ふかまち: るさんからなにかあれば。。

Pさん: 何かあれば

る : まだ書いてないのでなにもいえないですが、、

6: ほう

る : がんばります!

Pさん: パチパチパチパチパチ

ふかまち: パチチチチ

6: 言い忘れていたのですがあやさんの小説に『西瓜糖の日々』が出てきて、秋号の巻頭文とも関係して面白いと思いました。

ふかまち: うんうん

aya: あれね、結局テーマをちゃんと砕いて、作品の中に入れられなかったので、そのまま題名を入れたんですね。苦肉の策…

6: 文学的虚構はこれから作ればいいと思います!

ふかまち: そうです!

6: 次号は文学的虚構+時間でお願いします!

ふかまち: では次号編集長にバトンを渡して合評会を終わりたいと思います。参加ありがとうございました。

ふかまち: おつかれさまでした。