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十一月号(No.2) 編集後記

 今月号の特集のテーマは「私の読書生活」で、三稿集まったのだけど、のぞいてみれば見事に本を読むことに対して自慢する人がいない。僕に至っては自慢できないことをわざわざ発表しようと思う訳が無く。これらには誰もが自慢できるほど本を読めていないという気持ちがあるからなのだろうけど、それ以上に「小説家像」というものが大きく僕達の頭を支配しているように感じる。

 村上龍が芥川賞を取った時、インタビューか何かで家族に受賞を報告したいと言ったら、小説家は家族などとは離縁して然るべきものだと、頭の固い人に言われたと聞いたことがある。それと同じように、僕達も小説家になったこともないのに、小説家とはこういうものだという考えに捕らわれがちなのだと思う。

 小説家なら人より本を読んで当然、それも一つの小説家像に思う。役割としては、小説家よりも文学部の教授のほうが小説を読んでいるはずなのだけれども。

 本を出版するにしても、今の時代、新人賞受賞だけでなく自費出版だってあるし、自分の作品を世に出す方法は一つではない。個人的には新人賞受賞から出版するよりも、もっと自分の作品を人の役に立つ形で発表したいと思う。人は人の中で生きているのだから。

 高速道路にしても何にしても、主流はよく渋滞する。ちょっと冷静になって俯瞰的に見れば、抜け道のようなものに気付くことがある。到着地が同じなら、いつになったら辿り着くか分からない道よりも、速く辿り着ける道のほうがいい。そのほうがより先にも行けるだろう。ただ、それでも主流を抜けてきたからこその、誉れを手に入れたいという気持ちも分かる。

 一つ思うのは、皆が主流を進むより、それぞれ色々な道から進もうとする人達が集まっているほうがおもしろいよね、ということ。

 今回の表紙はちぇまさんに作ってもらいました。

しろくま